12MHzのクリスタルフィルターと組み合わせて7MHzのAM交信を聞く受信機を製作しようと思い、19.2MHzのVXOを作成しました。周波数範囲は7MHz帯のAM交信で使われている7,195kHzと7,181kHzの様です。
できれば50kHzの可変範囲幅を確保して受信範囲を7,150kHz~7,200kHzとしたいところです。受信する電波形式はAMのみなので実際には30kHzの可変幅があれ場要は足りそうです。このような仕様であればシンプルな回路で実現できるVXOの出番です。
基本回路は2つの推奨発信師を用いたFETによるスーパーVXOとして、トランジスタによるバッファアンプとの組み合わせにします。
発振回路にははトランジスタとFET、どちらが良いのでしょうか?
インターネットの諸先輩の例を拝見するとトランジスタを使っている方が多いような気がします。特段の根拠はないのですが、手持ちの多かったFET(中国内で購入したサードパーティ、又はコピー品、又は単に偽物)を使う事にしました。バッファアンプのトランジスタ、2SC1815も素性は同様のものです。
VXOコイルはこちら(中華人民共和国)の通販で購入した7kのコア付きボビンにφ0.1mmのポリウレタン銅線(UEW)を、1つの溝に10回巻いてピンに取り出し、合計40回巻いてどの足に接続するかで、巻き数(インダクタンス)の変更ができるように作りました。
-
-
7kコイルボビン
-
-
コア穴は非貫通
-
-
各溝10回x4溝
出来上がったコイルのインダクタンスは40tで14uH程度になりました。
他のVXO記事でVXOコイルはよく、10uH程度と紹介されていますので、マアマアの出来でしょうか?
-
-
10t 1.8uH
-
-
20t 6.1uH
-
-
30t 11.8uH
-
-
40t 14.1uH
VXOでよく使われている20pF程度のバリコンを探しましたが見つからなかったので、とりあえず、エアバリコン1つと、2つのポリバリコンを準備しました。
2連エアバリコン(写真左)は12~250pFと12~290pF。
大きい方のポリバリコン(写真中央)は4~270pFと4~20pF。
小さい方のポリバリコン(写真右)は最大が140pFと60pF。という仕様です。
最初にVXOのコイルと可変コンデンサを短絡して、水晶発振子だけの発信周波数を確認すると19,201,570Hzとなりました。
意外な事に表示周波数より高い周波数で発信しています。
別途作成したIF用の12MHzクリスタルフィルターの通過帯域中心周波数は11,999,500Hzなので、7,195kHzを受信するにはVXOの周波数が19,194,500Hzになります。受信範囲の目標を7,150kHz~7,200kHzとすると、VXOの可変範囲は19.148MHz~19.200MHzできるようにVXOの調整をする必要があります。
次に水晶発振子と直列にVXOコイルのみを接続して周波数を測定してみると、40t、30tのタップ位置では発信しませんでした。VXOコイルは10uH程度、という記事をよく目にするのでこれはちょっと意外。20tのタップを使う事にしました。
バリコンを取り換えながら発信周波数を確認し、最終的には4~270pFと最も容量可変幅の大きい2連ポリバリコンを使用し、コイルのコアを調整して19.145MHz~19.208MHzになるように調整しました。VXOのバリコンには良く20pF程度のものが使われていますので、これはちょっと、異常に大きな容量です。
バリコンと並列に小容量のコンデンサを追加することで可変幅を大きく狭めることなく全体の周波数を下げられそうですが、目的の周波数範囲は確保できているのでVXOの可変範囲の調整はひとまず完了とします。