NanoVNA-F V2 買いました。

NanoVNAはedy555氏が設計した非常に小型のベクトル・ネットワークアナライザです。
互換品、コピー品、類似品、別設計品など、似たような製品がたくさん販売されています。日本から中国に戻っての隔離中で少し時間を持て余し気味なので、その中からNanoVNA-F V2 を購入してみました。

NanoVNA-F V2 はedy555氏設計のNanoVNAとは異なる、オリジナル設計製品との事です。測定信号に発信機の高調波を使用しない、という点が大きな特徴でしょうか。YOUTUBE やウェッブを調べても、特段の機能的な差異は無い様に見受けました。
NanoVNA-F V2 についても非公式製品含め、いろいろとハードウェアのバリエーションがあるようです。購入したSYSJOIN というメーカーの4.3インチ液晶タイプの製品も日本のAmazonでも同じ製品が売られています。
プラスチックケースには本体の他に両端SMAオスのセミリジッド同軸ケーブル×2本、校正や測定に用いる若干のアクセサリ、液晶(抵抗幕式のようですね)を操作するペン等が揃っていました。
本体には操作ペンを収納する場所が無く、ストラップホールやストラップも無いので、失くしてしまう前に何か工夫が必要です。
本体は金属製でしっかり作られています。厚さは1.5cm程ありますが、縦横は携帯電話と同程度です。コネクタはSMAです。プリント基板に固定されたコネクタが窓から出ているのではなく、金属パネルにしっかりと固定さており、頻繁に使い、飛び出している部分だけに強度的に安心です。
周波数レンジは50kHzから3GHz。内臓のバッテリーは5000mAhと、結構大きめです。
USB-Aのコネクタがあり、1Aと表示されています。携帯電話など簡単な周辺機器に5Vを供給できるようです。
ケースはアルミ製で全体を覆っています。NanoVNAのバリエーション製品には全て覆われていない製品も見かけましたが何十dBものダイナミックレンジを計測する機器としてはシールドも重要だと思います。

本体をチマチマ触るより先に、さっそく NanoVNA Saver_0.2.2–by SYSJOINT をダウンロードしてPCにインストール。NanoVNA本体と接続してみました。画面の左下でNanoVNA を接続したシリアルポートを選択し、Connect(左図は接続後なので、Disconnectと表示されている)ボタンを押すとNanoVNAと接続し、Sweep周波数や各チャートのプロットが表れます。最初にキャリブレーションをしますが、基本的にキャリブレーションは使用する周波数レンジ毎に必要です。よって、先にSweep レンジ(周波数)を設定してからキャリブレーションを開始します。
左下のCalibration ボタンを押すとCalibration ウィンドが立ちあがります。
特に理由がなければ、Calibration ウィンドの中ほどにあるCalibration assistant ボタンを押して、表示される手順通りに実施するのが間違いがなく、簡単です。
また、NanoVNA-F V2 本体ではSweep スパンに関係なく測定点が101点です。広いスパンでの測定では周波数ステップが大きくなりに不便ですが、PCのアプリでは左上にあるSegments でステップを指定して、測定をより細かくする事ができます。

キャリブレーションの後、試しに日本から無線機と一緒に持参したアンテナをNanoVNA 本体に直接取り付けて測定してみました。NanoVNAを机の端において、アンテナに何も触れないような状態で測定しましたが、狭いホテルの部屋の中での測定なので、アンテナ単体の特性とは大きく異なると思います。

左がiCOMのID-52に付属していたアンテナ、FA-S270C の測定結果画面です。カタログでは周波数範囲が144~148/430~450MHzとなっています。143MHz付近のVSWRは1.5程度ですが、430MHz帯では435MHz付近がVSR4.4程度と高くなっています。少し上の484MHz当たりのVSWRも下がっています。
143MHz付近でのインピーダンスは73.19-j11.5Ωと少し高めです。
435MHz付近では24.11-j50.5Ωで大分、容量性を示しています。周囲の影響が大きいのかもしれません。実際もこのアンテナは無線機本体に取り付けて机の上などに置いたり、手で持っての運用形態が多くなるので、現実的にはこのような特性なのでしょう。

同じ条件でダイヤモンド社のSRH-940 を測定した結果が左の図です。「AM/FM/エアーバンド/150/300/450/900MHz帯受信対応」の広帯域アンテナらしく、144MHz帯と430MHz帯のアマチュア無線バンドの間の周波数についてはVSWRが大きく悪化していません。アマチュア無線バンドでのVSWRは、144MHz付近で2.6、438MHz付近で1.1程度です。438MHz付近で共振してインピーダンスが48.97+j4.92Ω とほぼ純抵抗。144MHz付近では105.3-j44.8Ωとインピーダンスが高くなり、容量性を示しています。
SRH-940 はアマチュア無線の50MHz帯も対応しており、900MHz帯の受信まで対応している仕様なので、Sweep スパンを40MHzから1GHzに拡大して測定してみました。測定ステップを標準の101から10倍していますが、それでも951.4kHz、約1MHzステップでの測定になります。
送信が必要な50MHz、144MHz、430MHzのアマチュア無線帯付近ではリアクタンス成分が最小化するように設計されている事が確認できました。
更にSweep スパンを100kHzから1GHzにしてキャリブレーションを取り直し、測定してみました。アマチュア無線バンド付近の165MHz、436MHz前後でリアクタンスがほぼゼロで、インピーダンスも50Ω程になります。50MHz帯については51.6MHzで150Ω。誘導性リアクタンスが156Ωでした。

とりあえず、手近にあったアンテナを使って、測定手順を確認してみました。ベクトル・ネットワークアナライザを使用するのは初めてですが、いろいろな高周波特性を簡単に測定できて便利で面白い測定器です。アンテナの調整などだけでなく、フィルターの作成などでも重宝しそうです。いろい周波数範囲を測定するには測定ステップが荒いことが少し弱点になりますが、周波数の狙いを付けた測定対象物では問題にならないように思います。なお、周波数とグラフの周波数軸を対数にしたいところですが、やり方が分かりませんでした。できるのかな?
ホテル隔離から解放され、自宅に戻ったらまた、いろいろと測定してみたいと思います。

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