AD9833によるVFOの検討

もう10年以上前に発売されたAD9833を使ったDDSモジュールを試してみました。

データシートを見るとサイン波/三角波/方形波を出力できる機能をそう備えていますが、無線機用途を考えているのでサイン波のみを使います。出力周波数レンジは0~12.5MHzとなっていますので、中間周波数が455kHzなど、シングルスーパーの受信機用としては用途が限られそうです。一応、7MHz帯までの信号を出力するVFOを考えます。
インターネット上にあるAD9833を使ったVFOの情報を大いに参考にしています。

 

まずはどんなものかと、PICからDDSモジュールを制御し、160m、80m、40mの各バンドの周波数を発信して出力に2SC1815のバッファアンプを入れた後の信号をスペアナ(tiny SA)で測定してみました。
AD9833のデータシートを見るとDACから出力した信号とグランドの間に200Ωの抵抗が並列に入っており、出力抵抗は200Ωの様です。また、バッファアンプの入力抵抗は約5.6kΩです。tiny SAの入力インピーダンスは50Ωですので、マッチングが取れていません。

1.8MHzの信号では19MHz付近に目的信号からマイナス30dBのスプリアスが現れます。これはローパスフィルタで十分に抑え込めそうです。
3.5MHzでは2倍高調波が目的信号に対してマイナス49dB。カットオフ周波数が7MHz程度のフィルタでは抑え込めません。更に21.5MHz程度の目的信号からマイナス29dB程度の強力なスプリアルも出ています。
7MHz帯では11MHz程度に目的外周波数のマイナス43dB程度、18MHz辺りに目的周波数比マイナス13dBのスプリアスが出ています。これはローパスフィルタでも抑え込めるかもしれません。

6.3MHzを8逓倍して50MH帯までの運用を想定した場合、ローパスフィルターは7MHz帯から上をカットすることにします。
送信機出力用ローパスフィルターで個人的に実績の有った値と、トロイダルコアの巻き数とインダクタンスの関係、コンデンサの容量からLTspice上でカット&トライでそれらしい値を決定。実際の回路ではローパスフィルターのアンプの出力抵抗は470Ω、終端は240Ωで受けています。終端抵抗が50Ωから240Ωにすると特性がだいぶ暴れます。フィルター設計の知識もないのでこのまま実装。インターネット上で、こんないい加減な記事は見たことありませんが、実力無いので仕方がありません。

ローパスフィルター後のアンプ出力信号をtiny SA で測定してみました。
想像以上に良く、スプリアス、高調波が抑えられています。
1.8MHzでは2倍高調波(3.6MHz)のレベルが基本波に対して-45dB。
3.5MHzでも2倍高調波(7MHz)のレベルが基本派に対して-47dBと不十分。
これらの高調波はローパスフィルタが効果を発揮しない周波数なので仕方がありません。
7MHzでは2倍高調波(14MHz)のレベルが基本派に対して-56dBとなりました。
送信機で使う場合には送信機側での対応が必要ですが、対策可能です。
DDSモジュールから漏れてくるスプリアスは問題ないレベルになっています。LTspice でシュミレーションすると前後に入れた2SC1815のアンプも適度にハイカット特性になっており、功を奏しているのかもしれません。2SC1815のモデルはインターネット上から適当に拝借したものです。

逓倍して他のアマチュアバンドに用いる周波数についても確認してみました。
2逓倍して10MHzになる5MHzの信号は、第2高調波のレベルが基本派に対して-54dB。
3逓倍して18MHzになる6MHzの信号は、6.9MHzに基本波から-46dBのスプリアスが出ており要注意。
4逓倍して24MHzになる6.2MHzの信号は、第2高調波のレベルが基本派に対して-52dB。4逓倍して28MHzになる7.1MHzの信号は、第3高調波のレベルが基本派に対して-54dB。
8逓倍して50MHzになる6.3MHzの信号は、第3高調波のレベルが基本派に対して-43dBであり、これもしっかりした対策が必要です。

いずれにしても送信機側での対策をする事で所定の規格に入る電波を確保できるように思います。操作系と併せて実際にケースに実装して、VFOを完成させる事にします。

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