6素子ラダーフィルターの試行錯誤

特性値を測定した12MHzの水晶発振子、6個を使ってAM受信機用の6素子ラダーフィルターを検討してみます。
Cytecさんのサイトで紹介している「さくらソフト工房」開発のEasyXFで帯域幅を6kHzとする時のコンデンサの容量を計算します。
C=21pF、2C=42pF、インピーダンスは628Ωとなりました。
コンデンサの容量は実際に入手できるE12系列に合わせてC=20pFとしてLtspice でシミュレーションしてみます。
シミュレーション結果では、-6dBの帯域幅が約4.2kHzとなりました。EasyXFの計算結果とはだいぶ乖離した結果で、AMのフィルターとしては狭すぎます。
EasyXFで使う水晶発振子のパラメータは端子間容量だけなのに対して、Ltspiceではその他の特性もシミュレーションに使っている事の差なのでしょうか?
又は、EasyXFで言う帯域幅の定義が異なるのかもしれません。

同様に、コンデンサの容量を15pF、12pFと変えてシミュレーションしてみます。
-6dBの帯域幅は15pFで5.2kHz、12pFで6.0kHzとなりました。
コンデンサはC=15pF、又は20pF程度が良さそうです。

ブレッドボードに仮組してnanoVNAで測定してみました。
水晶発振子とコンデンサ(C=15pF、2C=33pF)を組んだだけでインピーダンス整合は取っていません。測定系は50Ω(typical)です。

[以下について訂正します。本文最後訂正を追加しました]
nanoVNAではSweep Spanを狭めて測定のSegmentsを増やしても実際の測定周波数ステップは1kHzまでしか下がらず、0.5kHz以内の変化を読み取ることはできませんでした。

そこでSG(FY6800)からのスイープ信号を入力してtinySAで測定してみようとしてみましたが、仕様を確認すると最小のRBWはマニュアル設定で3kHzです。AUTOでも2.6kHzの様です。
試しに12MHzの単一周波数信号を測定してみましたが、帯域が3.3kHz程度の信号に見えてしまい、クリスタルフィルタの特性測定には使えませんでした。

スペアナやFRMSはここ(中華人民共和国)には持ってきていないので、手作業でSGからの出力周波数を変更しながらオシロで測った入出力電圧比をdBに換算してグラフにプロットしていく事にします。
LTspiceで入力インピーダンスを確認すると、通過帯域内では大きく暴れているものの、1kΩ前後。クリスタルフィルターの入出力に並列に1kΩの抵抗を接続して測定することにしました。
入力信号はSGの出力電圧を定格最大の10Vp-pとして測定します。クリスタルフィルター特性の測定には60dB以上のダイナミックレンジが欲しいところですが、それでもこの方法では40dB程度でしょうか。ブレッドボードに組んだクリスタルフィルターにオシロのプローブを付けて実際に測定してみるとノイズレベルが50mV前後もありました。
また、オシロのデジタル表示電圧は刻々と変化するので、とにかく目視で記憶できた値を記録し、その差をdB換算します(20log(出力電圧/入力電圧)。
測定結果は左のグラフの様になりました。通過損失はザっと▲2dB程度です。LTspiceでは▲10dB程度のロスがでる結果だったので、良い方にズレてはいるものの、この差の原因は気になります。
通貨帯域は4.5~5kHz程度です。測定ポイントが荒いので、どこを平坦部とするかという事と併せて、概ねシミュレーション結果の5.2kHzと合っていると考えています。

[2022年2月24日追加]
NanoVNAでフィルタ特性を測定しようとしたところ、測定周波数の感覚が広すぎて思うような測定ができず、結局、NanoVNAではクリスタルフィルターの様な狭い範囲の特性は測定できないものと思っていました。
本日、インターネットでNanoVNAを使ったクリスタルフィルターの記事を見て、「そうだよねぇ。測定できないはずないよ。」と思い、仕事から帰宅後に改めてブレッドボードに同じパラメータでフィルターを君、NanoVNAで測定してみました。
そしたら、なんと!理由は分かりませんが十分な分解能で測定できます。
前回測定時との違いはファームウェアをv0.3.2へアップデートした事だけですが、ファームウェアのアップデートはこの変化には無関係でしょう。
前回と同じ測定条件(の、つもり)で測定し直してみました。
ブレッドボード上での測定なので、減衰量は大きく異なっていますが、通過帯域内のリップルや帯域幅はもちろん、十分に観察できる測定結果です。測定周波数間隔が十分に密になっている事が明らかです。
NanoVNAの設定など私が知らないところでの設定ミスがあったんかもしれません。
これは謎です。
通過帯域内のリップルが多いのでざっくりですが、フィルターの両端にへ入れるに1kΩを入れた測定で通過帯域幅は5kHz程度と確認できました。
リップルが大きいのでインピーダンス整合の検討が必要なようです。

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