ノイズジェネレータ

TGの無いtinySAの利用度を上げるためにノイズジェネレータを買いました。(左はDCジャックを取り外した後の写真)
電源電圧12V、出力信号は1MHz~3.5GHz。との触れ込み。日本のインテーネットでも何年も前から紹介記事の有るような製品です。
基板に実装された部品を見ると、ダイオードの降伏現象時に発生するノイズをMMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)3段で増幅してホワイトノイズを出力している様です。ダイオードの型番を判断できる情報はありません。電圧可変タイプのレギュレータ、AMS1117 ADJ と通して約5.7Vの電圧がダイオードに供給されています。
3つのMMICへの電源は安定化されておらず、入力電圧を固定抵抗で降圧し、チップインダクタを介して供給されています。MMICの1つに削り取られた型番表示の断片が”02″と残っています。高周波ローノイズアンプで良く見かけるINA-02184のコピー品でしょうか?

12Vの電源を加えてみると、MMICが結構熱を持ちます。電源投入後は定電圧電源の電流表示が0.12A程度で、しばらくすると0.14Aまで上がります。基板を触れてみるとMMICが触れない程では無いにしても結構熱を持っています。
MMICがINA-02184だとすると、データシートよりデバイスの最大定格電流は50mA。3デバイスで合計最大電流は150mA。降伏特性を利用するノイズ元ダイオードの電流は僅かだと思われるので、0.14Aの電流は殆どがMMICに流れ、最大定格に近いところで動作しているものと思われます。

供給電圧を変化させたときの各MMICのバイアス電圧、及び電流(直列に入っている抵抗両端の電圧から計算)を調べました。
12Vを供給すると40mAまで流れるデバイスがあり、電圧1Vの上昇で電流がおよそ2.5mA上昇します。
12V電源は良く13.8V設定をすることがあるので、ちょっと危険です。電源に16オームの抵抗を入れて12V接続時にMMICに供給される電圧が10V程度になるように調整します。16Ωの抵抗は0.2Wを消費するので熱を持つため、1Wタイプの抵抗を基板から離して実装する事にしました(空中配線!)。
これでケースの上蓋を取り付け、電源を入れて25℃程度の場所に放置すると”少し暖かい”程度になります。12V供給で133mAとなりました。

tinySAに接続してどのような信号が出ているのかを確認します。
HF~50MHz程度までは平均-20dBm程度のノイズです。350MHzでそこから-10dB落ちの-30dBm程度です。
tinySAをHIGHバンドにして測定します。LOWバンドとHIGHバンドのレベルを合わせるのに適当な信号が無かったので、350MHz付近のレベルを目分量で合わせた簡易測定です。およその傾向を見ます。
tinySAの測定上限、960MHz付近で350MHzから更に-1odB落ち、-40dBmとなりました。
全体として、HF帯から測定上限の960MHzまでのレベル差は20dB程度です。

ブレッドボードに組みっぱなしになっていた6素子のクリスタルフィルターにノイズジェネレータの出力を入れて、フィルターの周波数特性をtinySAで測定してみました。
クリスタルフィルター(600Ω程度)とtinySAのインピーダンス(50Ω)整合が取れていないので信号(電力)レベルもだいぶ低くなっていますが、ノイズジェネレータでtinySAの活用範囲も広がります。

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