ノイズジェネレータや測定対象信号のレベルを上げる為にRF広帯域アンプ基板を購入しました。
価格は26元、日本円換算で440円程です。
2GHzでも20dBの増幅率。P1dB(1dB利得圧縮点)は+10dBm(10mW)、電源電圧は6~12Vとなっています。
使用する周波数は数百MHz程度までなので、その範囲でフラットな利得を得られればOKです。
P1dBが+10dBm(10mW)と言う点は信号レベルに気をつける必要があります。
使用しているMMICにはN02の標記があるので、INA-02184 の様です。INA-02184 のデータシートでは入出力インピーダンス50Ω。3dB帯域上限が0.8GHz。ゲインは0.5GHz 31dB(Typ)、1.5GHz 26dB(Typ)となっています。MMICに掛ける電圧は標準5.5V、最大7.0V。許容最大電流は50mAです。
最初に基板に掛ける電圧を変化させて、MMICに流れる電流、利得と周波数特性の変化を確認しました。電流はMMICへの回路に直列に入っている、実測177.7Ωの抵抗の両端電圧から換算しています。
基板への供給電圧が12VでMMICに掛かる電圧は5.4V、電流は37mAでした。データシートにある標準的な動作電圧になっています。
6V動作では増幅度が低く、周波数が高くなるにしたがって増幅度の低下が大きくなります。増幅度、ゲインの平坦性などでINA-02184 本来の特性を出すには基板に10V以上の供給が必要で、販売者情報の最大電圧、12Vでも良さそうです。
10V以上の電圧では周波数特性は200MHz程度まで増幅度の低下は殆ど無く1MHzからフラット。-3dBの帯域も900MHz付近まで伸びています。
- 6V
- 7V
- 8V
- 10V
- 12V
最終的には電源に24Ωの抵抗を直列に入れて、12Vの供給で基板には11.2V程度の電圧を供給する様にし過電圧保護としました。準備した小型のアルミケースに実装するにあたり、SMAコネクタを外してRG-174を直接接続しています。
シールド効果を確実にするため、ケースを構成する各パーツの接触部はアルマイトを削り、導通を確認しています。
最終的にINA-02184 のデータシート通り、0.8GHz付近までほぼフラットに30dBの利得があるRFアンプとなりました。
- 30dB ATT nanoVNAで測定