中華人民共和国国内では既に生産中止になったトランジスタ、FET、ICなどが販売されている事が多く、うまく使える部品に当たれば安価でとても便利です。
がしかし、半導体部品は全くのインチキ(ピンアサインが違う!とか)、特性がどう見てもおかしい、バラツキが異常に多い、などが普通であり、それなりの覚悟とアキラメが必要です。ちなみに、ほとんどの販売者はこのような製品を、本物、又は偽物でも使える、と信じているようで、返品などのクレームを付けても全く話になりません。データシートを提供できないのは勿論ですが、たくさん売れている、とか、台湾製はこのような仕様なんだ、とか、まーッたく話になりません。
さて今回、AMトランシーバーを自作するにあたり、以前に“Frogs calling QRP1.8W Kit”のNE602を差し替えて簡単に実験した時に購入して、手持ち個数の多い、いい加減なNE602AN、又はSA612ANモドキを使うことにしました。事前に印加電源電圧と内部発振回路出力との関係を調べてみたのでデータだけですが備忘録として残しておきます。
測定回路はNE602ANの6,7番品を使った水晶発振回路飲みを動作させて、7番品ので発進電圧(Vp-p)をオシロスコープで測定しました。
実際にトランシーバーの局発に使おうと考えている回路で、40pFのトリマー周波数微調整用ですが、この実験では適当に発信するところで固定します。
NE602AN、SA612ANの定格電圧は4.5V~8Vですが、諸OMが公表されている自作回路などを拝見すると低めの5Vで動作させている例が多いように思います。ICの発熱を低くしてドリフトを抑えようという意図でしょうか?
購入先の異なる3種類の測定結果は左の表のとおりです。
型番表示が最も薄いICは5個を測定しましたが全く発信しませんでした。
他の2種類も、データシートにある最低動作周波数、4.5Vでは発信しません。
購入先が一緒でも発進電圧のバラツキが大きいものとそうでないものがあります。
選別して使うなら良いのですが、ランダムに使い場合には6V以上を掛けた方が良いように思いました。