20dBカップラー

送信機出力のような大きな電力の信号を測定する時には、測定器が扱える範囲の電力に落とす必要があります。
また、被測定計になるべく影響を与えないように測定器が必要とする信号を抽出するときにもカップラーを用います。

  無線関係の工作を趣味とする方には定番中の定番、山村英穂 氏著、『改訂新版 定本 トロイダル・コア活用百科 』を参考に作成しました。
 50Ωの測定系インピーダンスで使用する設計です。
 写真の通り構造はシンプル。作成は容易で、加工らしい加工はせいぜい、トロイダルコアに同軸ケーブルを通すために同軸ケーブルの外皮を均一に削った所くらいです。

 
 コネクターはBNCタイプです。
 測定計の配線では接続部のちょっとした緩みが大きく測定結果に影響します。コネクタの接続だけでなく、コネクタをケースに固定しているケース内のナットの緩み止めにも注意が必要です。
 信号の入出力に方向性はありません。真ん中のー20dB端子から測定用の信号を取り出します。
 利用性の高い測定アクセサリーです。

TGからの出力を50Ωで終端して周波数特性を測定しました。
減衰量20dBに対して23dBになるのは約152MHz。フラットなのは120MHz程度です。
HF帯、30MHz以下の信号で5次高調波までが大きな減衰無く観測出来る程度で、50MHzでは3次高調波のレベルが実際よりも低く現れます。
また、トロイダルコアの透磁率周波数特性の影響を確認するにはもっと低い周波数レンジでの測定も必要ですね。
測定が漏れました。
特性
1GHzスパン
300MHzスパン
200MHzスパン