LCメータ LC-100A

自作コイルのインダクタンスを測定するために購入。インダクタンスを測定できるデジタルマルチメータは多数有るが、
なるべく測定周波数の高いものをと探す中でLC-100Aに行き当たった。
アマゾンでは複数の販売者からまちまちの価格で販売されているが、写真を見る限りどれも同一品のようなので、
最も安い販売者から購入。1,606円。

 製品は測定器本体と赤、黒の蓑虫クリップ付き測定用リード線。電源を供給するUSBケーブル。取扱説明書は同梱されていないが、インターネットで英語版を入手。
 測定レンジはインダクタンス、キャパシタンス共に2レンジが有り、以下のようになっている。
1.インダクタンス
 (1)L レンジ(通常レンジ)  0.001μH~100mH
 (2)Hi.L レンジ        1μH~100H
2.キャパシタンス
 (1)C レンジ          0.01pF~10μF
 (2)Hi.Cレンジ        1μF~100F
0.001μFや0.01pFの小さい値が測定でき、精度も最大5%となっており、カタログスペックは結構すごい。
  測定に用いるスイッチは4つ。赤い"Zero"スイッチは各測定時に0点調整をする。測定モードを設定後、長押しして"CALCULATING...OK"と表示されれば0点調整完了。
白(Hi.C)、青(Hi.L)、黄(L/C)の3つのスイッチで測定モードを設定する。このような測定器はたまにしか使わないので、測定器本体に表示がないと、いちいち取説で確認する必要があり不便だ。
 
 右端の小さい赤いスイッチは測定後に押すと、測定時の周波数を表示する。測定対象のL、Cにて発信する周波数からL、Cの値を算出して表示しているようだ。
 測定端子には付属の蓑虫クリップ付きワイヤーを接続した。このような方式では1桁pFなど微少容量の測定時に測定ケーブルのストレ容量が安定しにくいので注意が必要。
 電源入力は5V。今時珍しいUSB Mini-Bタイプの入力と、DCジャックの2系統がある。DCジャックはこの製品の定格、5Vでなくても誤って接続しそうなので、そのうち取り外す予定。
 付属のDCアダプターはもちろんMini-Bタイプとなっており、間違えそうにない。
 Cと言わないまでもMicro-Bにしてくれれば汎用的で良かったのに。
 液晶を取り外した様子。
被測定部との組み合わせで発信周波数を決定するLとCが測定端子直後に実装されている。
測定値を校正出来るような調整点は見当たらなかった。
 海外のwebサイトに液晶コントラストを調整できる様にする改造が紹介されていたが、届いた製品も確かに液晶のコントラスト調整が悪い。測定値の読み取りは問題なく出来るが出来れば調整したい。液晶や回路定数のばらつきもあるので、液晶電流制御の固定抵抗をカットアンドトライするより、上記記事のように半固定抵抗にしてしまった方が簡単だろう。
 測定はこんな感じ。
 やはり液晶コントラストの設定ズレが気になる。
 公称値82pFのセラミックコンデンサを測定してみたら表示は64.21pF。
 何で???
 念のため秋月電子のデジタル容量計キットで測定してみると、表示値と同じ82pFとなった。
 1/100pFまで表示してくれるより、そもそもの精度の方が心配。
 
 
  LC-100Aと秋月電子のデジタル容量計キットとでいくつかのコンデンサを測定し、比較してみた。
 前述のようにLC-100Aと類似した製品はアマゾンだけ見ても複数の販売者が出店しており、精度、性能が同じかどうかは不明。あくまで購入した製品のデータで、LC-100Aについて普遍的なデータではない。
 いくつかのコンデンサについて、LCV-100Aと秋月電子の「デジタル容量計キット」とでの測定結果は以下の通り。
「デジタル容量計キット」では0.1μFの測定値が被測定対象のコンデンサの表示値とり7%程低い値だが、それ以外はほぼ表示値±数%の範囲。一方LC-100Aの値は大きく異なっている。測定値が小さく出る傾向にある。
 容量に関しては秋月電子のデジタル容量計キットの方が断然信頼できそうだ。このような測定器では±10%の範囲ならと考えていたが、LC-100Aの測定結果は更に表示値との乖離が大きく、個々の測定値もばらつきが大きい傾向に有り、信頼できない。
 測定に用いる蓑虫クリップリード線の影響なのであれば測定値は表示値より高い方に出ると思うのだが・・・。
 インダクタンスに関しては他に測定器がないのでLC-100Aと表示値との差しか比較できなかった。コンデンサ同様の傾向で、測定値は表示値よりも20%以上低い値となった。